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【Blender3.0】頂点カラー&頂点ペイントの使い方まとめ
はじめに
こんにちは!
今回は「頂点カラー」「頂点ペイント」の使い方について紹介したいと思います。
Blenderには、オブジェクトの頂点がもつ色情報「頂点カラー」を編集できる「頂点ペイント」の機能があります。
テクスチャ不要で色を付けたりすることができて便利ですので、こちらの記事を参考にぜひご活用ください!
頂点カラーとは?
「頂点カラー」とは、その名の通り「オブジェクトの頂点が持つカラー情報」のことです。
頂点カラー自体は、Blenderだけでなく他のCGソフトでも使われます。
おもに、テクスチャを用いずに簡易的に色を付けるために使われます。
こちらの記事を参考にしました。
頂点ペイントとは?
Blenderには頂点カラーを編集できる「頂点ペイント」という機能があります。
頂点ペイントを使うことで、こちらのように、オブジェクトの頂点カラーを編集して、色を付けることができます。
(後で説明しますが、頂点カラーをレンダリング結果に反映するためにはマテリアルノードを追加する必要があります。)
また、のちほど紹介しますが、直接色を付けるだけでなく、マスクなどマテリアルの1要素として使うこともできます。
「頂点カラー」の基本的な使い方
Blenderでの「頂点カラー」の基本的な使い方を紹介します。
頂点カラーの表示方法
「Ctrl+Tab」で表示されるパイメニューから「頂点ペイント」を選択します。
プリファレンスで「Tab for Pie Menu」にチェックを入れている方は、Tabキーでパイメニューが表示されます
もしくは、画面左上のモード切替メニューから「頂点ペイント」を選択すると頂点ペイントモードに切り替えられます。
すると、「頂点ペイントモード」に切り替わり、頂点カラーが表示されます。
頂点カラーの追加
つぎに、頂点カラーを追加する方法を紹介します。
頂点ペイントモードで、ブラシが選択された状態で、こちらのように「カラーピッカー」で色を選択し、頂点を選択すると頂点カラーが設定されて色が付きます。
辺・面の色は、各頂点のカラーに応じてグラデーションとして表示されます。
「頂点ペイント」モードでは、テクスチャに色を塗る「テクスチャペイント」と同じようにさまざまな機能があります。
設定できる項目が非常に多いので、本記事の最後の「頂点ペイントモードの設定項目詳細」の項でまとめて紹介します。
テクスチャペイントの使い方・設定項目詳細についてはこちらの記事を参照ください。
頂点カラーの塗りつぶし方法
頂点を同じ色で塗りつぶしたいときは、こちらのように画面左上の「ペイント→頂点カラーを設定」を選択すると、すべての頂点が同じ色で塗りつぶされます。
また、選択した頂点のみ塗りつぶすこともできます。
まず、編集モードで塗りつぶしたい頂点を選択します。
頂点ペイントモードに切り替え、「ペイントマスク」または「頂点で選択」を選択した状態で、先ほどと同じように「ペイント→頂点カラーを設定」を選択します。
すると、編集モードで選択した頂点が塗りつぶされます。
「ペイントマスク」を選択すると面がフラットに塗りつぶされるのに対して、
「頂点で選択」を選択すると、面はグラデーションで塗りつぶされます。
頂点カラーの削除
頂点カラー情報の追加・削除は、こちらのように「オブジェクトデータプロパティ」(画面右下の緑の三角)のメニューで行います。
頂点カラーを追加するとオブジェクトデータプロパティに「Col」というチャンネルが追加されますが、右側の「-」を選択すると削除されます。
チャンネルの追加
オブジェクトデータプロパティ右側の「+」を選択すると、複数のチャンネルを追加することができます。
追加したチャンネルには既存のチャンネルと同じ頂点カラーが設定されますが、編集するとオリジナルとは別の頂点カラー情報を設定できます。
Blenderで設定できる頂点カラーのチャンネルは8個までです。
Blenderで設定できる頂点カラーのチャンネルは8個までです。
9個目のチャンネルを追加しようとすると、こちらのようなエラーメッセージが表示されます。
頂点カラーのノード設定
頂点カラーは、そのままではレンダリング結果に反映されませんが、マテリアルノードで設定することによってレンダリング結果に反映することができます。
また、シェーダーエディター上でマテリアルの1要素として使うこともできます。
頂点カラーのレンダリング
まず、頂点カラーをレンダリングする方法を紹介します。
オブジェクトにマテリアルを追加した状態で、こちらのように「シェーダーエディター」を開きます(デフォルトの「プリンシプルBSDF」が追加されています)。
ショートカットキー「Shift+A」で「入力→頂点カラー」ノードを追加し、「プリンシプルBSDF」の「ベースカラー」につなぐと、頂点カラーがレンダリング結果に反映されます。
別のノードを使うこともできます。
頂点カラーを設定した状態で「Shift+A」→「入力」から、メニュー一番上の「頂点カラー」→チャンネル名を選択すると、「属性ノード」が追加されます。
こちらの属性ノードを「プリンシプルBSDF」の「ベースカラー」につないでも、頂点カラーがレンダリング結果に反映されます。
複数チャンネルがある場合、属性ノードの「名前」で表示する頂点カラーを切り替えられるので、複数の頂点カラーチャンネルをマテリアルノードに使う場合に便利です。
シェーダーエディターの基本的な使い方は、こちらの記事を参照ください。
応用編:頂点カラーをマスクとして使う
先ほど紹介した「頂点カラーノード」や「属性ノード」をマスクとして使うことで、別々のテクスチャやシェーダーを塗り分けることができます。
例として、先ほど紹介した「ペイントマスク」を使って、こちらのようにモンキーを白と黒で塗り分けます。
こちらのように「RGBミックスノード」の「係数」に属性ノードをつなぐことで、白に設定した領域に麻の葉模様を、黒の領域に市松模様を設定できました。
「頂点カラーをマスクとして使う」方法については、こちらの記事もあわせて参照ください。
頂点カラーのエクスポート
頂点カラーは、MAYAなど別のソフトからインポート/エクスポートすることができます。
Blenderで設定した頂点カラーをエクスポートする場合は、ply形式やabc形式などで設定できるようです。
ただしうまくいかない場合は、次に説明する「頂点カラーのベイク」を代わりの方法として使うこともできます。
(参考記事)
頂点カラーのベイク
頂点カラーは頂点と紐づいているので、たとえばこちらのように、頂点を溶解してしまうと色情報も失われてしまいます。
頂点カラーをテクスチャにベイクすることで、頂点編集しても色が変わらないようにすることができます。
ベイクの手順は以下です。
保存しないとベイク結果は残らないので注意してください。
テクスチャがベースカラーに反映され、頂点を溶解しても色が消えずに残ります。
「テクスチャのベイク」について、詳しい説明はこちらの記事を参照ください。
頂点カラーのベイクの方法については、こちらの記事を参考にさせていただきました。
頂点ペイントモードの設定項目詳細
最後に、頂点ペイントモードの設定項目について紹介します。
(設定項目が非常に多いので、簡単な説明にとどめます。)
ペイントマスク/頂点で選択
画面左上のこちらのアイコンです。
こちらのように、編集モードで選択した面/頂点に頂点カラーで色を付けたいときに使用します。
ペイント
オブジェクト全体の頂点カラーを調節する項目です。
こちらのように陰影・汚しをつけることができます(アンビエントオクルージョン:AOと似ていますね)。
また、こちらのメニューで頂点カラーの色を調節できます。
- 反転:色を反転する。
- レベル:レベル(オフセット、ゲイン)を調節する。
- HSV(色相/再度/輝度):色・鮮やかさ・明るさを調節する。
- 輝度/コントラスト:明るさ・コントラストを調節する。
ブラシの設定
ブラシを使って色を塗る設定です。
画面上のメニュー、または画面右下の「アクティブツールとワークスペースの設定」(以下)でブラシのモードや色などを設定できます。
「ブラシ」の基本的な使い方は「テクスチャペイント」とほぼ同じなので、こちらの記事もあわせて参照ください。
ブラシ
デフォルトでは、こちらのように「リンクするブラシを閲覧」メニューで表示される7種類のブラシから選択することができます。
それぞれのブラシには、異なるブレンドモード(後述)が設定されています。
また、こちらのようにブラシを追加し、色などの設定を保存することもできます。
ブラシ設定
ブラシの「ブレンドモード」「半径」「強さ」を設定します。
こちらのようにさまざまなオプションから選ぶことができます。
ブレンドモードの違いはこちらのような感じです。
※半径・強さはペンタブの筆圧でも調節できます。
カラーピッカー
ブラシの色を選択します。
こちらのように、色を2色まで保存して切り替えることができます。
カラーパレット
こちらのように、カラーパレットからブラシの色を選ぶことができます。
テクスチャ
ブラシにテクスチャを設定することができます。
ストローク
ブラシで点や線を描く方法を選択することができます。
- ドット:マウス移動の軌跡上にペイントを適用します。
- スペース:指定の間隔でペイントを適用します。
- エアブラシ:マウスをクリックしている間ペイントし続けます。
- ライン:直線上にペイントします。
- カーブ:曲線(ベジエカーブ)上にペイントします。
「ライン」「カーブ」を使って綺麗な直線/曲線を描く方法については、テクスチャペイントと共通ですのでこちらの記事を参照ください。
減衰
こちらのように、ブラシの中の色の濃さの分布を変えることができます。
対称
こちらのように、左右/上下対称に色を塗ることができます。
頂点ペイントツール
頂点ペイントで使えるツールの種類で、以下のように5種類あります。
ドロー
デフォルトのツールで、帯状にペイントします。
基本のツールになります。
ぼかし
ハッキリとした線をぼやかして馴染ませることができます。
平均化
円形のカーソル内の頂点カラーの色を平均化します。
にじみ
指でなぞるように線をにじませることができます。
アノテート
オブジェクトには反映されない線を引くことができます。
「左クリック+マウスドラッグ」で線を引き、「Ctrl+左クリック+マウスドラッグ」で線を消すことができます。
使用例はこちらをご覧ください。
まとめ
Blenderの「頂点カラー」「頂点ペイント」について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
私自身、この記事を書くまで「頂点カラー」についてよく知りませんでしたが、色の塗分けや陰影をつけたりすることができる便利な機能だと学んだので、今後もぜひ使っていきたいと思います。
こちらの記事が、「頂点カラー・頂点ペイントについて知りたい!」という皆様の参考になってくれればうれしいです!
最後に、今回のまとめです。
- 頂点カラーとは?:オブジェクトの頂点が持つカラー情報
- 頂点ペイントとは?:頂点カラーを編集できるBlenderの機能
- 頂点ペイントの基本的な使い方
- 頂点カラーの表示方法
- 頂点ペイント~頂点カラーを追加する
- 頂点カラーの塗りつぶし方法
- 頂点カラーの削除
- チャンネルの追加
- 頂点カラーのノード設定
- 頂点カラーのレンダリング:「頂点カラー」または「属性」ノードを使う
- 応用編:頂点カラーをマスクとして使う:「ミックス」ノードの係数につなぐ
- 頂点カラーのエクスポート
- 頂点カラーのベイク
- 頂点ペイントモードの設定項目詳細