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【UE5初心者向け】フォリッジで草・木を大量に生やす方法

こんにちは!
今回は、 ゲームエンジン「 Unreal Engine 5 (UE5)」初心者向けに、「フォリッジ」の機能の使い方を紹介します。
フォリッジを使うことによって、草や木などのアセットを大量に生成し、素早く草原や森林などを作成することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
本記事では、ゲーム開発用ソフトウェア「Unreal Engine 5(UE5)」について、ビューポート操作やアセット追加方法等の基礎知識があることを前提としています。
UE5のソフトウェア説明・基本操作方法については、こちらの記事をご覧ください。

フォリッジで草原を作成する作業フロー
まずは、フォリッジを使って実際にランドスケープ上に草原を作成するフローを紹介します。
フォリッジの詳細設定項目については、後のセクションで解説します。
ランドスケープ・ランドスケープマテリアルの作成
まずは、新規プロジェクトを作成し、「ランドスケープ」の機能を使って草原の土台となるランドスケープ(地形)を作ります。

また、ランドスケープマテリアルを作成し、ランドスケープ上にペイントします。
以降のステップでは、この緑色にペイントした範囲に草を生やしていきます。


ランドスケープの詳しい作成方法については、前回の記事で紹介したのでそちらをご覧ください。

環境アセットの追加
今回使用する草のアセットは、Unreal Engine公式配布のものを使用します。
Epic Gamesのマーケットプレイス「Fab」にログインし、「Open World Demo Collection」(無料)を入手します。

入手後にEpic Games Launcherを立ち上げると、「ライブラリ」に「Open World Demo Collection」が追加されています。
ここで1点注意ですが、このアセットはUE5.3以降のUnreal Engineと非互換ですので、UE5.3以降のバージョンを使用している場合は、UE5.2以前のバージョンにいったん追加した後で、現在お使いのUEプロジェクトに移行する必要があります。

以下の手順で、Open World Demo Collectionを新規プロジェクトに追加・移行します。
追加先のUEのバージョンは、UE4でもOKです。




古いバージョンのアセットをUE5の新バージョンに移行する方法については、こちらの記事でも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

フォリッジでペイントする
以下の手順で、ランドスケープ上に「フォリッジ」の機能を使って草を追加します。


追加したフォリッジを「フォリッジインスタンス」と言います。


フォリッジのアイコンをクリックして、「ペインティング」→「Density/1Kuu」(1ユニット当たりの密度)の値を大きくすることで、さらに密度を増やすことができます。

以上の手順で、簡単に草原を作成することができました。

フォリッジモードの設定について
このセクションでは、フォリッジモードの設定内容について紹介します。
フォリッジモードパネルの項目について
フォリッジモードを選択すると以下のようなフォリッジモードパネルが開きます。

各項目の詳細は以下の通りです。
- ツールパレット…ペイント・削除などのツールを選択する
- ブラシオプション…サイズや密度などブラシの調整を行う。
- フィルタオプション…フォリッジがランドスケープやスタティックメッシュなど、どのオブジェクトに対して有効なのかを設定する。
- フォリッジパレット…フォリッジとして使用するアセットの追加・削除、ペイント・削除するフォリッジの選択、およびフォリッジの詳細に表示するフォリッジの選択を行う。
- フォリッジの詳細…フォリッジパレットで選択したフォリッジに対して、対象とするメッシュやペインティングの際の密度・スケール(大きさ)・配置方法などを設定する。
ツールパレットの項目について
ツールパレットでは、フォリッジの選択・追加・削除などを行うためのツールの選択を行います。
ツールの説明は以下の通りです(詳細は「Unreal Engine 公式ドキュメント」を参照してください。)。
ツール | 説明 |
Select (選択) | 個別のフォリッジインスタンスを選択する。 |
All (すべて) | すべてのフォリッジインスタンスを選択する。 |
Deselect (選択を解除) | 現在の選択を解除する。 |
Invalid (無効) | 無効なフォリッジインスタンスを選択する。 |
Lasso (ラッソ) | ブラシでペイントされた対象から、選択フォリッジタイプのフォリッジインスタンスを選択する。 |
Paint (ペイント) | 選択したフォリッジ タイプのインスタンスをペイントする。 |
Reapply(再適用) | すでに配置されているフォリッジ インスタンスに変更を適用する。 |
Single (単一) | 選択したフォリッジ タイプの単一インスタンスをペイントする。 |
Fill (塗りつぶし) | フォリッジ インスタンスで選択したターゲットを塗りつぶす。 |
Erase (消去) | ブラシでペイントされた対象から、選択したフォリッジ タイプを消去する。 |
Remove (削除) | 選択したフォリッジ インスタンスを削除する。 |
Move (移動) | 選択したフォリッジ インスタンスを現在のレベルに移動する。 |
たとえば、「選択」を選択した状態でフォリッジインスタンスをクリックすると選択されます。
Ctrlキーを押しながらクリックすることで、複数選択できます。

「ラッソ」を選択した状態でクリックすると、ブラシ範囲のフォリッジインスタンスが選択されます。
また、インスタンスを選択した状態で「削除」をクリックすると、フォリッジインスタンスが削除されます。

「ペイント」を選択した状態でランドスケープ上でクリックするとインスタンスが追加されます。
また、「消去」を選択した状態でランドスケープ上でクリックすると、ブラシ範囲のインスタンスが削除されます。

ブラシオプションについて

ブラシオプションでは、ペイント・消去などのツールを選択した際に以下の項目を設定できます。
- ブラシサイズ…大きくするほど、ブラシ半径が大きくなる
- ペイントの密度…大きくするほど、ペイント後のインスタンス密度が大きくなる
- 消去密度…小さくするほど、消去後のインスタンス密度が小さくなる
また、「単一インスタンスモード」にチェックを入れると、1つのインスタンスを追加・削除できるため、「1本だけその個所に花を追加」などの細かい微調整に使えます。

フォリッジパレットについて
フォリッジパレットにアセット(スタティックメッシュまたはアクタフォリッジ)をドラッグアンドドロップすることによって、フォリッジとして使用するアセットを追加することができます。

複数のフォリッジをパレットに追加・有効にした状態でペイントすることで、複数のアセットを追加することができます。

また、フォリッジパレットの各アセットアイコンの左上のチェックをON・OFFすることによって、ブラシへの反映有無を個別に設定することができます。

フォリッジ詳細設定について
フォリッジパレットで選択したフォリッジについては、「フォリッジ詳細設定」の項目でさまざまな内容を設定することができます。
ここでは、実際にフォリッジを使う上で重要な項目を紹介します。
ペインティング
「ペインティング」の項目では、フォリッジインスタンスの密度やスケールを調整することができます。
Density/1Kuuの値は、1ユニット当たりの密度です。
この値を大きくするほどフォリッジは密になります。

「半径」はフォリッジとフォリッジの間の間隔で、「Density/1Kuu」の値を大きくしてもフォリッジ間に一定の間隔が確保されます。

「Scale X」で、フォリッジのスケールを設定することができます。
最大と最小の値の中で、ランダムにスケールが設定されます。

配置
「配置」の項目では、フォリッジの向きや角度、フォリッジを配置できる傾斜や高度などを設定することができます。
「Align to Normal」のチェックの有無によって、斜面に対して垂直に生やすか(オン)、真上に向かって生やすか(オフ)を設定できます。

デフォルトでは「Random Yaw」のチェックはONになっているためフォリッジの向きはランダムですが、チェックを外すとフォリッジがすべて同じ方向を向くようになります。

「Ground Slope Angle」は、フォリッジを生やすことができる斜面の角度を制限します。
「最大」の値を大きくすることで、急な斜面にもフォリッジを追加することができます。

「Height」の最大値を設定することで、ある一定の高度以上にはフォリッジが追加されなくなります。
山の植生を表現する際に便利です。

まとめ
今回は、UE5初心者向けに、フォリッジを使って草原を作成する方法・フォリッジの設定方法を解説してみました。
フォリッジを使うことで、リアルな自然風景を簡単に作ることができるので、ぜひこちらの記事を参考に試していただければと思います。