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【Blender3.1】リアルな「傷」を作る方法まとめ

はじめに
こんにちは!
今回は、フリーの3DCGソフト「Blender」を使って、おもに金属などのマテリアルの表面についた、リアルな「傷」を表現する方法を紹介します!
ピカピカのマテリアルで質感を表現するのももちろんOKですが、傷や汚れがあると一気に作品のリアリティが増すので、ぜひ参考にしてみてください!
「汚れの作り方」はコチラの記事で紹介したので、合わせて参考にしてみてください。
▼「カンタンに汚れを表現しよう!」はコチラ!
https://cgbox.jp/blender-dirt/
マテリアルノードで金属の傷を表現
マテリアルノードを使って、金属の表面についた細かい傷を表現することができます。

拡大図はコチラです。
ランダムな形状のキズが、全体的についているのがわかると思います。

マテリアルノードはコチラです。
傷は「ノイズテクスチャ」「カラーランプ」「バンプ」で表現し、プリンシプルBSDFの「ノーマル」に入力しました。

金属表面の凹凸や傷の作り方は、以前の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
表面に凹凸を付けることができる「バンプ」ノードを使った例はコチラの記事でも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
ちなみに、Blender標準搭載マクロ「Node Wrangler」を有効化することで、マテリアルノードの接続などの作業が非常にラクになります。
有りとなしではノード作業の効率が全然違うので、ぜひ有効化してください。
▼「Node Wrangler」の詳しい説明はコチラ!

傷の画像テクスチャを貼り付ける
「傷」を表現するテクスチャを貼り付けることで、コチラのような引っかき傷などを表現することができます。

のちほど紹介しますが、傷のテクスチャを配布している「textures.com」というサイトから、コチラの画像テクスチャをダウンロードして使用しました。
(画像はTIF形式なので、Blenderで読み込む際はGIMPなどの画像ソフトでPNGなどの形式に変換する必要があります。)

コチラのようにシェーダーエディター上で「画像テクスチャ」を追加し、ダウンロードした画像を読み込みます。
画像テクスチャは、先ほどの例と同じように「カラーランプ」「バンプ」につなぎ、プリンシプルBSDFの「ノーマル」に入力しました。

コチラの例では、画像テクスチャをオブジェクトにマッピングするために、「テクスチャ座標」と「マッピング」のノードを追加しています。
先ほど紹介したアドオン「Node Wrangler」を有効化していれば、コチラのように「Ctrl+Tab」で一発で追加できます。

テクスチャをオブジェクトに貼り付ける方法については、コチラの記事でも紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
▼「テクスチャの貼り付け方」はコチラ!

傷のテクスチャ(引っかき傷・打痕など)をダウンロードできるサイト
先ほどの例でも使用した、リアルな傷のテクスチャをダウンロードできるサイトを、いくつか紹介します!
ご利用の際は、各サイトの利用規約等でライセンス等をご確認ください!
textures.com
かなり豊富な種類のテクスチャをダウンロードできます。
利用するには無料または有料の会員登録が必要です。
無料会員だと、1日にダウンロードできるテクスチャ枚数には制限があります。
検索バーで「Imperfection」や「Scratch」などと入力して検索すると、コチラのように傷や汚れのテクスチャが表示されます。

ambientCG
ほぼすべてのテクスチャを無料でダウンロードできるサイトです。
検索バーに「Imperfection」や「Scratches」と入力して検索すると、コチラのように汚れや傷のテクスチャが出てきます。

Polygon
さまざまなリアルなテクスチャをダウンロードできます。
会員登録は無料ですが、基本的にテクスチャは有料です。
ただし、一部のテクスチャは無料でダウンロードできます(画像に「FREE」と表示されているもの)。

カテゴリ「Surface imperfection」を選択すると、汚れや傷のテクスチャが表示されます。
(2022年5月現在、傷のテクスチャについてはすべて有料のようです。)

テクスチャペイントで傷を表現する
「傷」を表現する際は、全体ではなくてエッジなど部分的に傷をつけたいことも多いと思います。
「テクスチャペイント」を使うことで、コチラのように部分的な傷を表現できます。

手順はコチラです。
今回も「textures.com」からコチラのテクスチャをお借りします。


こちらのように、ベースカラーは黒にしておきます。

画像テクスチャノードには、傷のテクスチャと、テクスチャペイントで編集中の画像とを読み込みます。



「テクスチャペイント」の使い方については、こちらの記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください!
▼「テクスチャペイントの方法:自由に描こう!」はコチラ!

スカルプトで傷を表現する
Blenderの「スカルプト」機能を使うことで、コチラのように刃物でえぐったような深い傷を表現することができます。

やり方を簡単に紹介します。

今回はリメッシュ機能を使わないので、サブサーフの最適化レベルは4くらいに設定し、ある程度メッシュサイズを小さくしておくと、傷を表現できると思います。


細くて深い傷を作る場合は、コチラのように「クリースブラシ」を使います。
ブラシサイズは5px程度に小さく、強さは1.0にしておくと良いかと思います。
マウスで左クリックしながら(またはタッチペンで)ドラッグすると、コチラのように細い傷ができます。

擦り傷を作る場合は、「クレイストリップブラシ」を使うとよいです。
今回はブラシサイズは20px、強さは0.6にしてみました。
Ctrlキーを押しながら、マウスで左クリックしながらドラッグすると凹んだ傷ができます。
Ctrlキーを押さずにドラッグすると凸になるので、同じ個所を繰り返しなぞると、実際の擦り傷のような凹凸を付けられます。

エッジの部分は傷がつきやすいので、傷を多めにするよう意識すると良いと思います。


「スカルプトで傷を表現する」方法について、詳しくはコチラのチュートリアル動画を参考にしてみてください。
Blenderのスカルプト機能の基本的な使い方は、コチラの記事にまとめていますので参考にしてみてください。
▼「スカルプトモードで粘土の様に造形しよう!」はコチラ!

アドオンを使う
最後に、短時間でリアルな傷を作れる有料のアドオンを紹介します!
Grungit
1クリックで擦り傷や引っかき傷を追加できるアドオンです。
コチラのように、金属・プラスチックのキズや合成皮革の劣化を表現することができます。
エッジ上の擦り傷や引っかき傷の他、汚れも付けることができます。
傷・汚れの量や色などはシェーダーエディターで細かくチューニングできます。
画像元:Blender Market – Grungit – 1-Click Wear And Tear
https://blendermarket.com/products/grungit/?ref=118
コチラのリンク先から購入・ダウンロードできます。

詳しくは、コチラの記事で紹介されているのでご覧ください。

Sumdgr Pro
リアルな傷・汚れを作ることができるアドオンです。
15種類の4K高解像度のテクスチャで、リアルな傷を表現できます。
傷のパラメータは、UIで簡単に調整できます。
画像元:Blender Market – Smudgr Pro – 1 Click Photorealism
https://blendermarket.com/products/SMUDGR
コチラから購入・ダウンロードできます。

Cracker – 亀裂や割れ(窓ガラス)の再現!

オブジェクトに亀裂や割れを追加するアドオンです。
手動では難しい表現が簡単に実装できてしまいます。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

まとめ
簡単にリアルな傷を作る方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
傷を追加することで作品のリアリティが増すので、参考にしていただけると嬉しいです。
また、前回記事で紹介した「汚れの表現」も一緒に追加すれば、さらにリアルになるのでぜひ作品作りに取り入れてみてください!
最後に、今回のまとめです。
- 細かい傷→マテリアルノード(ノイズテクスチャ)を使う
- 無数についた引っかき傷など→画像テクスチャを貼り付けて「バンプ」で「ノーマル」を調節。
- 傷テクスチャをDLできるサイト:ambientCG, textures.com, Polygonなど
- 部分的に傷をつける→テクスチャペイントを使う
- 深くえぐれた傷→スカルプトを使う
- 短時間でリアルな傷を作る→有料アドオンを使う(Grungit, Smugr Proなど)