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【Blender2.9】HDRI画像で現実世界の空間を再現!
こんにちは!
Blenderでの3DCG制作を勉強中のUEDAです。
Blenderを勉強して、アウトプットの場としてそれぞれの機能をまとめられればと思っています。参考にもなれば嬉しいです!
今回は〔HDRI〕についてまとめていきます。
簡単に自然光を実装できるので非常に便利な画像です。
他に光を実装する手段としては〔ライト〕を使ったライティングという作業が一般的ですね。
レンダーエンジンは〔Cycles〕を使用していきます。
〔Eevee〕では影が表示されないので注意が必要です。
〔Eevee〕では影を表示したい場合は〔光源〕が必要になります。〔HDRI画像〕は〔環境光〕なので、影を作り出すことができません。
HDRIとは?
HDRIとは、「High Dynamic Range Image」の略で、高い輝度幅を持つ画像のことです。
高輝度の光があふれる様子から、暗部の細かな陰影まで、現実世界に近いレンジの明るさを表現できる画像フォーマット。RGB各16bitの浮動小数値で明るさを表現するため、従来の8bit整数値よりも格段にレンジ幅が広い。イメージベースドライティングのためのライティングの色情報に使うと、実写と合成しても違和感の少ないCGを制作できる。
「実写と合成しても違和感の少ないCGを製作できる」とあるように、画像の空間の中にオブジェクトがあるような、現実世界の自然なライティングが実現できます。
つまりHDRIを設定すれば、ライティングが必要ありません。
この画像を設定すると、レンダリングにも背景として反映されます。
例えばこのような画像がHDRIとしてあります。
ライティングは非常に難しく、時間がかかりますが、HDRIは簡単に設定できます。
フリーのHDRIを手に入れる
まずは〔HDRI Haven〕から好きな物をダウンロードしましょう。
コチラのサイトは無料でHDRIがたくさんあるので、便利です。
開いて〔HDRIs〕を押すと、以下のようにHDRIがズラッと並んで出てきます。
この中から気に入ったものをダウンロードしておいてください。
今回は、先ほど貼ったHDRIを設定していきます。
当ブログではフリーのBlenderで活用できる素材が手に入れることのできるサイトを紹介しています。
ぜひコチラも読んで、活用してください!
設定方法
画面右側のプロパティから〔ワールドプロパティ〕を開いて、その中の〔サーフェス〕を開きます。
〔サーフェス〕の中に〔カラー〕という項目があるので、その横のをクリックします。
そうすると設定できるものの一覧が出てくるので、〔環境テクスチャ〕を選択します。
そうするとサーフェス内の項目が〔環境テクスチャ〕用に変化します。
ここで〔開く〕を選択して、先ほどダウンロードしたHDRIを設定すれば完了です。
- ワールドプロパティ
- サーフェス
- カラー
- 環境テクスチャ
- 開く
ノードでも!
ワークスペースを〔Shading〕に変更して、左上から〔ワールド〕に変更してください。
そうすると先ほど設定したHDRI画像が追加されています。
〔ワールドプロパティ〕から設定しましたが、同じようにノードを組むことでHDRIをビューに追加することができます。
変更したい場合は、ファイルを開いて設定しなおせばOKです。
HDRIを回転
HDRI画像は背景として固定されているわけではありません。
〔マッピング〕というノードを追加することで、画像を回転させて移動させることができます。
光の当たり具合も位置によって変化します。
〔Node Wrangler〕というアドオンを使用すれば、ショートカットキー”Ctrl + T”で簡単にマッピングを追加できます。
マッピングもよいですが、オブジェクトの移動とカメラ視点の移動で調整も可能なので試してみてください。
因みに〔マッピング:位置〕で数値を変更すると、HDRI画像が歪むので注意が必要です。
背景を消す方法
背景が邪魔だと感じる方には今から紹介する方法をオススメします。
3Dビューのシェーディングを〔レンダー〕にすると、このように背景が消えた状態にすることができます。
先ほど組んだノードに足して、以下のようにノードを組んでください。
上の〔背景〕ではHDRIの光量が強くなるので、オブジェクトに当たる光が強くなります。
下の〔背景〕は新たに追加した単色の背景の色と、明度の強さを変更できます。
これで十分ですが、次に紹介するようにノードのグループ化を行うのがオススメです。
〔アペンド〕して他のブレンダーファイルに持っていけるので、今後何度も同じ設定をしなくてよくなります。
グループ化:Ctrl + G
〔ワールド出力〕以外のノードを選択して、ノードをグループ化します。(複数のノードのグループ化/Ctrl + G)
このように選択ノードがグループ出力に繋がれた状態で、緑の画面になります。
次に左側のどのノードにも繋がれていない〔グループ入力〕に、〔背景〕の〔強さ〕を2つと〔カラー〕も1つ繋ぎます。
〔環境テクスチャ〕が繋がれた方の〔背景〕の〔強さ〕の名前は”Light Strength”に、もう一方の名前を”Back Strength”にします。
〔カラー〕は〔Back Color〕にしておきます。
名前の変更はショートカットキー”N”で出てくるツールシェルフの〔インターフェイス〕から変更できます。
画面右上の赤枠から元の画面に戻ってグループの名前も”HDRI”にでもしておきましょう。
先ほど設定した値を変更すると〔Light Strength〕ではオブジェクトに当たる光の強さを、〔Back Strength〕では背景の光の強さを変更できます。
〔Back Color〕では背景の色を変更することができます。
これで設定は完了です。
他のファイルでも是非、使ってみてください!
ぼかす
HDRI画像を追加してボケた写真を撮るには、〔被写界深度〕という機能を使います。
〔被写界深度〕とは、写真の焦点が合いくっきりと見える範囲のことです。
デフォルトではオフになっているので、オンにする必要があります。
こんな感じで背景をぼかすことができています。
調整方法や機能について詳しくはコチラの記事でまとめているので、ぜひ読んでみてください。
アドオン:Easy HDRI
ここまでHDRIについて書いてきましたが、アドオンで便利な 〔Easy HDRI〕 というものがあります。
ファイル内のHDRI画像を全て読み込み、選択して使用することができます。
簡単にHDRIを使用できるのでかなり便利です。
アドオンとは、拡張機能のことです。
Blenderでより作業がしやすくなったり、出来ないことが出来るようになります。
YouTubeでも解説しているので、ぜひこちらもご覧ください!
アドオンを入れよう
〔Easy HDRI〕は以下のサイトで入手できます。
2021年4月6日現在の最新バージョンは”1.1.0”です。
Blender2.81以降に対応ということでしたが、Blender2.92ではすべての機能を正常に使うことができませんでした。
ダウンロードしたら”.zip”ファイルのままで大丈夫です。
画面左上の〔編集〕かショートカットキー”F4”で〔プリファレンス〕を開きます。
その項目内の〔アドオン〕に移動したら、インストールから先ほどの”.zip”ファイルを選択してください。
最後に名称の左側のチェックボックスにチェックを付けて、〔更新〕を押せば完了です。
使い方
”N”を押すと画面上に出てくるプロパティに追加されています。
まずは赤枠の部分を選択して、HDRIをダウンロードしているファイルを選択します。
後は〔Create world nodes〕を選択すれば空間内に適用されます。
〔Load image〕の矢印を押すとファイル内の画像に入れ替わります。
シェーディングエディターで、自動設定されたノードツリーを変更することで、光量や色味、向きを調整することができます。
基本機能だけで十分便利ですが、知っておいて損ではないですよ。
詳しい方法は動画で紹介しているので、こちらをご覧ください!
表示されない
「HDRIを設定したのに、見えない!」なんて時の原因をいくつか紹介していきます。
- 〔平行投影〕になっている
- 〔3Dビューのシェーディング〕が〔レンダー〕じゃない
まずは〔透視投影〕でなく、〔平行投影〕になっている場合ですね。
〔HDRI画像〕は、〔平行投影〕では表示されません。
これは別に設定されていて、光も適用されるのですが、投影方法上画面に表示されません。
ショートカットキー”(テンキー)5”で切り替えることができるので、確認してみてください。
詳しくはコチラの記事でまとめているので、ぜひ読んでみてください。
次に〔3Dビューのシェーディング〕が〔レンダー〕以外の場合ですね。
〔HDRI画像〕は〔レンダー〕の時のみ表示されるので、画面左上が〔レンダー〕になっているのか確認しましょう!
その他の背景作成方法
背景の作り方は大きく分けて3つあります。
- モデリング
- ワールド背景を使用
- 別画像と合成
それぞれの方法で印象はガラリと変わります。
作りたいシーンに合わせて、最適な方法を選びましょう!
以下の記事ではそれぞれの具体的な作り方を紹介しているので、ぜひ作ってみてください。
▼【様々な背景の作成方法】はコチラ!
記事内のレンダーエンジンは〔Cycles〕を使用しているので、〔Eevee〕ではこの限りではありません。
HDRI関連のアドオン
最後にHDRI画像に関するアドオンを紹介していきたいと思います。
Hdri Maker – リアルな照明&地形を追加!
リアルな照明と環境を迅速かつ簡単に作成できるアドオンです。
“約500種”以上のHDR/EXR背景が含まれています。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
Procedural Hdr Lighting – カスタマイズしてHDRIを簡単作成!
カスタマイズ可能なHDRIを作成して簡単にシーンをライトアップできるアドオンです。
ベースのプリセットは5つ用意されています。
まとめ
HDRI画像は設定も簡単で非常に便利ですね。
リアルっぽい物をレンダリングしたいときはよく使っています。
- 現実に近い明るさを再現
- レンダリング時に背景として使用可能
- 〔HDRI Haven〕がオススメ
- ワールドプロパティかノードを組む
- 回転させるには〔マッピング〕を追加