【初心者向け】ランドスケープ機能を使って地形を作成する方法【UE5】

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こんにちは!

今回は、 ゲームエンジン「 Unreal Engine 5 (UE5)」初心者向けに、「ランドスケープ」の機能を使ってゲームの舞台や映像作品の背景となる地形を作成する方法を紹介します。

本記事では、ゲーム開発用ソフトウェアUnreal Engine 5(UE5)」について、ビューポート操作やアセット追加方法等の基礎知識があることを前提としています。

UE5のソフトウェア説明・基本操作方法については、こちらの記事をご覧ください。

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目次

ランドスケープについて

UE5の「ランドスケープ」は、地形(テレイン)を作成する機能です。

ここでは、ランドスケープの機能でできることとシステムの概要、そしてランドスケープを使った作業の流れについて説明します!

UE5のランドスケープ機能の詳細については、公式ドキュメントを合わせて参考してください。

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ランドスケープツールでできること

ランドスケープは、正方形のメッシュオブジェクト(コンポーネント)をつなぎ合わせた「ランドスケープアクタ」のXY座標に高さをマッピングして山や谷などの地形を作成する機能です。

ランドスケープでは、例えば以下のようなことができます(具体的なやり方は後で説明します)。

  • 山や谷を作成する
  • 高さをそろえる
  • 斜面や道路を作成する
  • ランダムな凹凸を作成する
  • 雨水による浸食を表現する

また、ランドスケープの機能上、例えば以下のようなランドスケープは作成することができません。

  • 角度が90度以上の崖
  • 穴が開いた地形
  • 正方形以外の地形(楕円や球体など)

90°以上の断崖絶壁を作る場合などは、別途メッシュオブジェクトを配置する必要があります。

UE5での断崖絶壁の作り方については、以前こちらの記事で紹介したチュートリアルで詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧になってみてください。

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各モード(Manage、Sculpt、Paint)の概要

ランドスケープには、以下の3つのモードがあります。

  • Manage (管理) モード…新しいランドスケープの作成・コンポーネントの管理を行う。
  • Sculpt (スカルプト) モード…ランドスケープの形状を変更する。
  • Paint (ペイント) モード…ランドスケープに色塗りをする。

管理モード

管理モードは、新しいランドスケープを作成したり、コンポーネントを追加・削除したりするツールです。

ランドスケールの管理メニューには以下のようなツールがあります。

  • ランドスケープを新規追加
  • コンポーネントを追加/削除/移動/サイズ変更
  • 外部ツールで作成したランドスケープのインポート
  • スプラインの作成・編集

例えば、こちらのように「追加」「削除」で、ランドスケープのコンポーネントを追加したり削除したりできます。

後のセクション「ランドスケープの新規作成」の項目で、実際にランドスケープを作成する方法を紹介します。

Sculpt (スカルプト) モード

スカルプトモードでは、ランドスケープの形状を編集することができます。

こちらのように各ツールを使って凹凸を作成したりなだらかにしたりすることができます。

後のセクション「ランドスケープのスカルプト」の項目で、各ツールの内容を紹介します。

Paint (ペイント) モード

ペイントモードでは、ランドスケープマテリアルに設定したテクスチャを使って、ランドスケープに色塗りをすることができます。

草原や岩山などのレイヤを設定することで、色分けをすることができます。

具体的なランドスケープマテリアルの作成方法とペイント手順については、後のセクション「ランドスケープのペイント」で説明します。

ランドスケープ作成の手順

以上が、ランドスケープシステムと各ツールの概要です。

実際のランドスケープ作成の手順は以下の3ステップに分けられます。

以降のセクションで、実際にランドスケープを作りながら具体的な手順を紹介します。

  1. ランドスケープの新規作成
  2. ランドスケープのスカルプト
  3. ランドスケープのペイント

ランドスケープの新規作成

ここからは、実際にランドスケープ機能を使って地形を作成する方法を紹介していきます!

Epic Games LouncherからUnreal Engine 5を立ち上げ、今回は「ゲーム」→「サードパーソン」から新規プロジェクトを作成します。

画面上部の「ファイル」→「新規レベル」を選択後、「基本」を選択し「作成」をクリックします。

すると、新規レベルが追加されるので、フロア(床)を選択して「Delete」キーで削除します。

ランドスケープを追加する準備ができたので、実際に作っていきます。

「選択モード」ドロップダウンメニューの「ランドスケープ」を選択します。

すると、以下のように生成するランドスケープのイメージが緑色のワイヤフレームで表示されるとともに、画面右側に設定メニューが開きます。

設定メニューではランドスケープのコンポーネント数などを設定できますが、ここではデフォルト設定のまま設定メニュー下の「作成」をクリックします。

平らなランドスケープが生成されます。

ランドスケープを追加したら、いったん「ファイル」→「現行レベルを保存」(ショートカットキー「Ctrl+S」)で、レベルに名前を付けて保存しておきましょう。

ランドスケープのスカルプト

生成したランドスケープを実際にスカルプトツールで編集していきます。

これから紹介する方法を使えば、こちらのような地形を簡単に作ることができます。

設定メニューから「スカルプト」を設定し、その下のツールメニューを使ってランドスケープを変形させます。

以下のツールで編集した際に、どのように変化するかを一つ一つ紹介していきます。

  • スカルプト(Sculpt)ツール:丘や谷の作成
  • スムーズ(Smooth)ツール:滑らかな地形の作成
  • 平坦化(Flatten)ツール:平坦なエリアの追加
  • 傾斜(Ramp)ツール:傾斜の追加
  • 浸食(Erosion)ツール:侵食エフェクトでリアルな地形を表現
  • 水浸食(Hydro Erosion)ツール:水侵食のシミュレーション
  • ノイズ(Noise)ツール:ランダムなノイズでリアルさを強化

スカルプトツール:丘や谷の作成

スカルプト(Scupt) ツール を使用して丘や谷をスカルプトします。 

このツールでは、制作の初期段階で作りたい地形の大まかな凹凸を作るのに適しています。

基本的な操作方法は以下の通りです。

  • 左マウスボタンをクリック:地形を盛り上げる
  • Shiftキー+左マウスボタンクリック:地形を凹ませる
  • Ctrl+Zで、操作を元に戻す

以下の項目を調整しながら、自由に地形の凹凸を作ってみましょう。

  • ブラシサイズ:ブラシの半径
  • ツールの強度:ブラシの強さ
  • ブラシフォールオフ:ブラシの中心に対する外側のブラシ強さ、および中心から外側に向かうブラシ強さのカーブを調整

スムーズツール:滑らかな地形の作成

Smooth (スムーズ) ツール を使用することで、凹凸をならしてなめらかにすることができます。

ランドスケープが平坦になりすぎないように注意しましょう。 

平坦化ツール:平坦なエリアの追加

 Flatten (平坦化) ツール を使用することで、高さをそろえて平らな地形を作ることができます。

完全に平らにしたくない場合は、ツールの強度を下げたり、スムーズで凸凹をならしたりして調整します。

傾斜ツール:傾斜の追加

 傾斜(Ramp)ツールを使って高さの異なる2つの面の間に傾斜(スロープ)を追加することができます。

傾斜ツールでは、傾斜の始点と終点を指定し、設定メニューで傾斜幅などを設定した後「傾斜を追加」ボタンをクリックすると、平らな斜面が生成されます。

パスの各点を任意の方向に移動させて、複数の自由に傾斜を追加することができます。 

侵食ツール:侵食エフェクトでリアルな地形を表現

侵食(Erosion) ツールは、風による侵食を表現することができます。

こちらのように、丘を部分的に削って山頂や稜線を作成することができます。

水侵食ツール:水侵食のシミュレーション

 水侵食(Hydro Erosion)ツールは、水による侵食を表現します。

水が流れてできた凹みや、風化により稜線がなだらかになる様子を表現できます。

ノイズツール:ランダムなノイズでリアルさを強化

ノイズ(Noise)ツールは、表面にランダムなノイズを加えます。

ノイズスケールを下げることで、岩山のごつごつとした感じを表現できます。

ランドスケープのペイント

こちらのセクションでは、スカルプトしたランドスケープに色塗りをする方法を紹介します。

マテリアルとテクスチャスロットの設定について、かなり設定内容が多くて大変ですが、ひとつひとつ順を追って説明していきたいと思います。

新しいマテリアルの作成と適用

ランドスケープマテリアルを作成する方法を説明します。

まずは、以下手順でテクスチャをプロジェクトに追加します。

STEP
コンテンツドロワーを開き、「追加」→「機能またはコンテンツパックを追加」を選択します。
STEP
「プロジェクトにコンテンツを追加」の画面が開くので、「コンテンツ」→「Starter Content」を選択し、「プロジェクトに追加」をクリックします。
STEP
プロジェクトの「Content」フォルダの中に「Landscape」という名前のフォルダを新しく作成します。

「Materials」「Resources」「Textures」というフォルダを作成します(フォルダ名はこの通りでなくてもOKです)。

STEP
「Starter Contents」>「Textures」フォルダ内のテクスチャファイルを、「Landscape」>「Textures」フォルダにコピーします。

以下の「草原」「地面」「岩」を表現するために5個のテクスチャファイルをコピーしました。

  • T_Ground_Grass_D
  • T_Ground_Grass_N
  • T_Ground_Gravel_D
  • T_Ground_Gravel_N
  • T_Macro_Variation

次に、以下の手順でランドスケープマテリアルを作成します。

STEP
コンテンツ ブラウザ の「Materials」フォルダに移動し、右クリック して 「高度なアセットを作成」 から「マテリアル」 を選択します。

作成したマテリアルに好きな名前を付けます。

STEP
マテリアルをダブルクリック して開き、「LandscapeLayerCoords」ノードを追加します。
STEP
メタリックとラフネスを設定します。

1キーを押しながら左クリックで定数ノードを追加し、値を「0」に設定しメタリック入力に接続します。

Sキーを押しながら左クリックでスカラー値ノードを追加し、ラフネス入力に接続します。

STEP
「LandscapeLayerBlend」ノードを追加し、「Base Color」と「Normal」に接続します。
STEP
LandscapeLayerBlendノードの設定メニューで、「+」アイコンをクリックしてレイヤー数を3つ設定し、それぞれ「Grass(草原)」「Ground(地面)」「Rock(岩)」のレイヤー名(Layer Name)を設定します。
STEP
コンテンツブラウザのテクスチャを「マテリアルグラフ」の画面にドラッグアンドドロップし、テクスチャノードを追加します。

3つのベースカラーテクスチャを、「LandscapeLayerBlend」ノードの各レイヤーに入力します。

テクスチャをプレビューしたい場合は、設定メニュー上で確認したいテクスチャの「PreviewWeight」の数値を1に設定します。

ノーマルマップテクスチャも同様にもう一方のLandscape Layerに接続します。

最終的に、以下のように「LandscapeCordinate」ノードとテクスチャノードを接続し、ランドスケープマテリアルノードを設定します。

作成したランドスケープマテリアルは、Ctrl+Sで保存しておきましょう。

マテリアルレイヤーを使ったペイント手法

最後の作業として、ランドスケープに色を塗る方法を説明します。

まず最初にランドスケープマテリアルの設定を行う必要があります。

「選択モード」上で、「ウインドウ」→「詳細」からランドスケープの詳細メニューを開き、「ランドスケープマテリアル」から、作成したマテリアルを選択します。

ランドスケープのペイントモードに移動します。

ペイントの前に、以下の流れでテクスチャスロットの設定を行います。

STEP
「割り当て済みマテリアルからレイヤーを作成」をクリックして、レイヤーを追加します。
STEP
各レイヤーについて、レイヤー情報を作成します。

「+」アイコンをクリックし、「ウェイトブレンドレイヤ(法線)」を選択します。

レイヤー情報の保存場所を聞かれるので、「コンテンツ」>「Landscape」>「Resources」フォルダを設定し「保存」をクリックします。

他のレイヤーについても同様にレイヤー情報を作成・保存します。

以上で設定は完了です。お疲れさまでした!

あとは、レイヤーを選択し、ランドスケープをペイントしていきます。

最初に「Ground」のレイヤーで全体を塗りつぶし、平地を「Grass」、山の上の方を「Rock」で塗りました。

完成図はこちらです。

完成したランドスケープの上で右クリックし「ここからプレイ開始」を選択することで、ランドスケープ上を自由に走り回ることができます。

まとめ

今回は、UE5初心者向けに、ランドスケープを使った地形の作成方法を解説してみました。

ランドスケープはUE5でゲームや映像作品を製作する際に必須の機能ですので、ぜひこちらの記事を参考にしていただければと思います。

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この記事を書いた人

CGBox編集部。CGに関する様々な記事を執筆しております。

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