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【Blender2.9】スカートを作る方法まとめ!貫通を防ぐ形とは?
こんにちは!
今回はBlenderなどの3Dソフトで服を作る方法を紹介します。
貫通しやすい形/再現が難しい形とは?
スカートでは服とは違う貫通対策が必要です。
揺れなどの物理的な挙動を再現する方法としては、
- スカートにリギングを行いボーンを物理演算で揺らす方法
- メッシュ自体に物理演算でスカートの揺れを再現する
二つの方法がありますが、ゲームやMMD、VRChatなどほとんどのソフトではリギングを行い、ボーンに物理演算を与えます。
その理由としては、リギング後のボーンを物理演算で動かす場合だと振り子の様な物理演算で済むため低負荷、軽量化ができます。
それに比べ、メッシュ自体を物理演算で処理を行うと計算処理量が大きくなりすぎるので高負荷になります。
今回はリギングを行ったボーンを物理演算で動かす前提のスカートを紹介します。
この方法のデメリットとしては、親子関係にないボーンの物理演算はひものれんの様な挙動をするため、メッシュが不自然に伸びたり足を滑り落ちてしまうという挙動になり、形や物理演算ごとに調整が必要です。
このように枝分かれしているイメージですね。
貫通しやすい形とは?
基本的にスカートという物自体が貫通しやすいため、形状自体で対策をするよりもボーンの入れ方や物理演算のパラメーターで設定した方が明確です。
あえてあげるとすれば、チャイナ服の様な身体のラインにピッタリ沿った形は貫通しやすいですし、メッシュ数が少なめだとボーンの数も相対的に少なくなるため貫通しやすいです。
またこの様にジグザグのスカートは貫通を起こしやすいので、あまりお勧めできません。
貫通しにくい形とは?
逆に貫通しにくい形は、ふわっと広がるようなスカート、足を軽く上げた程度ではぶつからないような形状のスカートだと貫通対策が行いやすいです。
また、ショートスカートも貫通を避けやすいです。
この様な形状は足をある程度上げても、崩壊しにくいのでオススメです。
ただ、大前提としてスカートというアイテムは貫通しやすく、物理演算の設定で解決することが多いことを覚えておきましょう。
- 身体のラインに沿った形/メッシュ少な目・・・貫通しやすい✖
- 広がりのある形/長さが短め・・・貫通しにくい○
どうやって作るかを決めよう
スカートを作る方法を紹介するので、自分の作りたい方法を決めましょう。
- 一からメッシュを伸ばして作る
メリット : 好きな形を作ることができる
デメリット : しわや立体感を再現するのは難しい - 物理演算で円柱に沿わせて作る
メリット : 身体の形に添った形状が再現できる
デメリット : デフォルメやフラットな見た目は再現しずらい
個人的には1からメッシュを伸ばして作り、しわなどはテクスチャで再現するのがオススメです。
一からメッシュを伸ばして作る方法
複製や物理演算では作れない形、ゲームキャラクターの様な派手な衣装を作る場合は、1からモデリングを行う方が良いかもしれません。
まずは汚くても良いので作りたい服のイメージを持つ必要があります。
各項目で伝えていますが、3Dモデリングは完成させたいもののイメージがなければ上手く最後まで作ることはできません。
▼下絵を用意してモデリングを行いましょう!
キャップを作る手順でBlenderの操作方法が分かる動画もあるの、でここから挑戦してみましょう!
モデリングがいまいち出来ない・・・という方も
▼イラストのようにモデリングができるVroidというソフトがあるので活用していきましょう!
物理演算で円柱に沿わせて作る
物理演算のクロスを用いてスカートを作る場合、現実のように着こなしたときのしわなどを再現することができます。
スカートと円柱のメッシュを用意する
まず、スカートの素材と円柱を用意します。
円柱は下の方を広げてプリンの様なバランスにします。
スカートが偶数の円の場合、円柱は奇数にすると物理演算の結果がワンパターンにならずにすみます。
- スカート ・・・偶数円
- 土台 ・・・奇数円
また土台の方をちくわのようにジグザグにしておくと、物理演算時のワンパターンさを防げるのでオススメです。
実際に物理演算を行っていきましょう!
▼物理演算はこちらで紹介しています!
コリジョンを設定する
土台の方にはコリジョンを設定して当たり判定を与えます。
減衰や摩擦などが設定できますが、今回はデフォルトで進めます。
クロスを設定する
次はスカートの方にクロスを設定します。
形状がくっきり折れ曲がってしまう場合は「曲げ」を小さく設定しましょう。
土台の形次第でスカートの形を変更できるので、理想の形ができるようにトライしてみましょう!
スカートのしわを再現するには?
しわの再現の仕方には複数通りのやり方があります。
- スカルプトモードでしわを描く
- UVテクスチャで描く
- テクスチャに法線を元にしたしわをベイクして陰影を再現する
▼基本的には服でしわを再現する方法と共通なのでこちらを参考にしてください。
ただ、スカートについてはそこまでリアルさは必要にはならないと考えています。
好きな形を作り、テクスチャをフラットにすることでも十分クオリティは高くなります。
ウェイトペイントのやり方
スカートのウェイトペイントは自動機能を使ってしまっても問題ありません。
ウェイトペイントの塗り方よりも必要になるのはボーンの数と物理演算の設定です。
多いほど利点はありますが、後述する貫通防止策を行う際に、ボーン数が多いと設定に工程数が増えるためお勧めできません。
10程度、多くても16程度に分かれてボーンを用意するのがオススメです。
▼リギングの方法に自動ウェイトの方法を紹介しています。
しかし、自分の意図した結果にならない場合はウェイトの転写を行い、簡単にスカートにウェイトを塗っていきましょう。
▼ローポリからハイポリに転写で紹介しています。
貫通を防ぐには?
Blenderでは物理演算でコリジョン設定ができるため問題ありませんが、アバターをUnityやVroidに持っていく場合は物理演算を使用することができません。
Blender以外に持っていく場合は、Unityに持っていく場合はUnity向けの物理演算を使用する必要があります。
スカートの場合、貫通を防ぐにはメッシュ形状やリギングはもちろんですが、物理演算側の調節が必要です。
DynamicBoneは当たり判定を与えるよりも
はみ出させない判定を与える方が意図した挙動になりやすいです。
Insideコライダーの設定
また、ボーン設定などはこちらの方の設定方法が参考になります。
Unity及びDynamicBoneの物理演算の設定は非公式アドオンなどを使用した設定方法やパラメーターがあるので別記事で紹介します。
また、UnityのCloth機能でメッシュに物理演算を与える方法もあるのでUnityの物理演算をまとめる際に紹介します。
スカートを作るときに便利なアドオン
最後にスカートを作るときに便利なアドオンをいくつか紹介していきます。
Simply Cloth Pro – クロス作成を素早くハイクオリティに!
Simply Cloth Proはクロス機能を強化するアドオンです。
プリセットがいくつか用意されており、オブジェクトの質感によってシワの加減などを調整可能です。
気になる人は以下の記事で詳細を確認してみてください!
Simply Material – 複雑な衣類/生地マテリアルを簡単作成!
複雑な衣服や生地のテクスチャを簡単に作成できるアドオンです。
リアルな見た目になる折り目やしわ、ロゴなどの追加画像、透け感のアルファやセーターなどの毛感とさまざまな詳細を追加できます。
まとめ
今回はスカートを作る方法を紹介しました。
Blenderには物理演算がありますが、UnityやVRChatにはDynamicBoneやClothなどそれぞれ独自の物理演算を設定する必要があります。
服と違い、ウェイトペイントのみでは貫通を制御できないのがスカートの難しさですが、逆に言えばモデリングの段階では服と比べるとそこまで難しい工程はありません。
貫通しやすいスカートを避けつつ理想的な形を再現していきましょう!
VroidStudioを使用して絵のようにスカートを作ることができるので活用してみましょう!
好きなアバターに好きな服を着せたい!という気持ちにチャレンジしてみましょう!